Lily Bulb
百合根
Lilium brownii / Lilium lancifolium
肺を潤し咳を鎮める。美肌効果と安眠効果も
Botanical
植物について
- 科名
- ユリ科(Liliaceae)
- 学名
- Lilium brownii / Lilium lancifolium
- 使用部位
- 鱗茎(りん片)を乾燥させたもの(生薬名:百合)
Origin & Use
産地と用途
主な産地
世界での使われ方
- 漢方の「百合(びゃくごう)」として潤肺・清心安神に処方
- 百合根の茶碗蒸し・きんとんなど和食の高級食材
- 薬膳スープ・薬膳粥・デザートの素材
- 潤い・安眠のための薬膳食材
Flavor
味わい・風味
百合根を蒸したり煮たりすると、ほっくりとした栗のような食感と、じゃがいもとゆり根ならではの上品でほのかな甘みが広がります。生のうろこ状のりん片にはわずかな苦みがありますが、加熱することで苦みは和らぎ、代わりにでんぷん質のまろやかな甘さが前面に出てきます。舌の上でほろりと崩れる繊細な口当たりが、この食材ならではの魅力です。 幾重にも重なった白いりん片を一枚ずつはがした姿は美しく、和食では茶碗蒸しや含め煮、きんとんなどに用いられる高級食材として知られています。乾燥させた生薬の百合は、水で戻して薬膳スープや粥に加えると、その上品な甘みととろけるような食感がじんわりと溶け出します。味に強い個性がないぶん、甘い料理にも塩味の料理にも寄り添う懐の深さを持ち、チャイに用いると、ほっくりした甘みがミルクと調和して優しい味わいを生みます。
Benefits
期待される効能
漢方において百合は、肺を潤す「潤肺(じゅんぱい)」と、心の熱を鎮めて精神を落ち着かせる「清心安神(せいしんあんじん)」の生薬とされ、帰経は心・肺。乾燥からくる空咳や喉の渇きをいたわるとともに、思い悩んで落ち着かない、眠れないといった心のざわつきを鎮める目的で用いられてきました。潤いを与えながら心を静めるという、二つの働きを併せ持つ点が特徴です。 「肺を潤し、心を安んじる」という位置づけから、百合は乾燥の季節の養生や、心穏やかに過ごしたいときの食材として親しまれてきました。栄養面では、良質なでんぷんやカリウム、食物繊維を含みます。現代の研究では、百合に含まれるステロイドサポニンや多糖類、コルヒチン系のアルカロイド類が注目され、抗酸化や鎮静との関わりが検討されています。ただしこれらは研究段階の知見であり、効能を保証するものではありません。生薬として用いる百合は食用品種とは異なり、観賞用のユリには有毒なものもあるため、必ず食用・薬用のものを用いることが大切です。あくまで潤いと安らぎの食養生として愛されてきた素材です。
History
歴史
百合根の利用は古代中国にさかのぼり、『神農本草経』にもその名が記されています。「百合」という漢字は、幾重にも重なったりん片が「百(多く)」の片が「合」わさっている姿に由来するとされ、その名の通り、密集した白いりん片の美しさは古くから人々の目を引いてきました。乾燥から体を守り、心を穏やかにする生薬として、長く珍重されてきた歴史があります。 日本では、食用として栽培されるユリ根が高級食材として発展しました。とりわけ北海道は国内有数の産地として知られ、苦みの少ない良質な百合根を生産しています。おせち料理の含め煮や、茶碗蒸しの具、きんとんなど、ハレの日の料理に欠かせない存在として、日本の食文化にも深く根付いてきました。観賞用の花としても愛でられ、薬用・食用・観賞用と三つの顔を持つユリは、東洋において実に多彩に活用されてきた植物です。
In Chai
チャイでの使い方
百合根は、チャイにほっくりとした上品な甘みと、潤い・安らぎの養生イメージを添える、優しい薬膳素材です。乾燥した百合をあらかじめ水で戻し(食用の生の百合根なら一枚ずつはがして)、水の段階から茶葉やスパイスと一緒に柔らかくなるまで煮るのが基本。じっくり煮ることで、でんぷん質のまろやかな甘みがミルクに溶け出します。乾燥が気になる季節や、心を落ち着けたい夜の一杯におすすめです。 白キクラゲやクコの実といった潤い系の薬膳素材と合わせれば、肌や喉の乾燥をいたわる「潤いチャイ」に。蓮の実やなつめと組み合わせると、心穏やかに過ごしたい夜の「安神チャイ」にまとまります。百合根の甘みは繊細なので、シナモンやカルダモンの穏やかなスパイスと好相性で、はちみつを添えるとコクが増します。柔らかく煮た百合根はそのまま食べられ、栗きんとんのような食感が楽しめるので、飲むデザートのような満足感も。ノンカフェインの素材と合わせれば、就寝前にも安心の一杯になります。
FAQ
よくある質問
- 百合根はチャイに合いますか?
- 百合根は、チャイにほっくりとした上品な甘みと、潤い・安らぎの養生イメージを添える、優しい薬膳素材です。乾燥した百合をあらかじめ水で戻し(食用の生の百合根なら一枚ずつはがして)、水の段階から茶葉やスパイスと一緒に柔らかくなるまで煮るのが基本。じっくり煮ることで、でんぷん質のまろやかな甘みがミルクに溶け…
- 百合根にはどんな効能が期待されますか?
- 漢方において百合は、肺を潤す「潤肺(じゅんぱい)」と、心の熱を鎮めて精神を落ち着かせる「清心安神(せいしんあんじん)」の生薬とされ、帰経は心・肺。乾燥からくる空咳や喉の渇きをいたわるとともに、思い悩んで落ち着かない、眠れないといった心のざわつきを鎮める目的で用いられてきました。潤いを与えながら心を静… ※伝統的に上記のように利用されてきた内容であり、効果を保証するものではありません。
- 百合根はどこ産のスパイスですか?
- 百合根は主に中国、日本(北海道・新潟)、朝鮮半島などで生産されています。 漢方の「百合(びゃくごう)」として潤肺・清心安神に処方
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